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ネントレ“ファーバー・タイムメソッド”などで最も誤解されやすい「入室時の関り方」

赤ちゃんが自分の力で眠りにつく練習を行う「ネントレ」として広く知られている、ファーバーメソッド、タイムメソッドなどの方法。SNSでも紹介されることが増えていますが、投稿によって説明が異なり、「結局、入室するの?しないの?」「途中でトントンや抱っこしてあやしてもいいの?」と迷うママやパパも少なくありません。
ファーバーメソッドで大切なのは、「〇分待つ」ということだけではありません。入室したときに何をするのか、そして何をしないのか。ここを間違えると自分で寝る力を身につけるどころか、赤ちゃんをさらに興奮させ、寝つくまでの時間を長引かせてしまうことがあります。

ファーバーメソッドのネントレとは?

ファーバーメソッドは「段階的消去法」と呼ばれるネントレ方法のひとつです。寝かしつけの際に赤ちゃんが泣いてもすぐには入室せず、あらかじめ決めた時間だけ待ちます。それでも泣き続けている場合は短時間だけ入室して安全を確認し、「大丈夫だよ、おやすみ」などと簡潔に声をかけ再び退室します。次に入室するまでの時間は、少しずつ長くしていきます。
ファーバーメソッドは赤ちゃんを泣かせたままにする方法ではなく、決められた時間間隔で短い確認を行いながら、自分で眠りにつく経験を積んでもらう方法です。
 

ファーバーメソッドの「入室」は「あやす時間」ではない

ファーバーメソッドで特に勘違いされやすいのが、途中で行う入室の際の関り方です。
入室した際は、赤ちゃんをトントンで寝かせたり、抱っこで泣き止ませたりは行いません。SNSなどでは「入室してあやす」「トントンして落ち着かせる」と説明されている情報もありますが、それではネントレの本来の目的から外れてしまう可能性があります。
赤ちゃんの安全や体調を確認したら、赤ちゃんに触れたりすることはせず、保護者が近くにいることを短く伝え、眠りにつく前に退室するのが基本です。

入室のたびにトントンしたり、抱き上げたり、泣き止むまでそばにいたりすると、赤ちゃんは「泣き続ければ、またママやパパがきて寝かしつけてもらえるんだ!」と学習してしまいます。

その結果、保護者が入室するたびに泣きが強くなったり、セルフねんねにつながりにくくなったりする場合があります。寝つくまでの時間が長引けば、泣き声を聞き続けるママパパもつらくなります。途中で対応を変えてしまい、結果として「長時間泣かせただけだった」と感じることも、ネントレがうまくいかない原因のひとつです。
 

入室時の関わりは「短く、淡々と、一貫して」

入室したら、「大丈夫だよ」「おやすみ」「ここにいるよ」など、毎回同じ言葉を落ち着いて伝えます。(言葉は短くシンプルであればなんでもOK!)声をかけたら、赤ちゃんが眠りにつく前に退室します。
長く話しかけたり、目を合わせ続けたり、抱き上げやトントンで落ち着かせる必要はありません。入室のたびに関わり方を変えたりせず、毎回同じ「短く、淡々と、一貫した」関りを取ることとが大切です。
寝室の環境や生活リズムが整い、赤ちゃんに十分な眠気があれば、同じ流れを繰り返すうちに赤ちゃんも「ママやパパは近くで見守ってくれている」「なんだか眠くなってきたな」と変化していきます。
そうすることで、これまで頼っていた抱っこなどがなくても「自分で眠ることができた!」と経験を重ねることができ、その経験の積み重ねがネントレの成功にながっていきます。
 

途中で元の寝かしつけに戻すと悪化することも

ファーバーメソッドを行う過程で、入室と退室を何度か繰り返してもまだ泣いていれば、「やっぱりこの子には無理なのかも…」と不安になりますよね。
泣いているわが子をすぐに抱き上げず見守るという行為は、普段の生活の中ではほとんどありません。親子ともに不安になるのは当たり前のことです。
しかし、たくさん泣かせた後に諦めて元の寝かしつけの方法に戻してしまうと、「たくさん泣いたら、最後にはいつもの寝かしつけをしてもらえるんだ!」と誤った学習をしてしまいます。ネントレを行う際は準備をしっかり行い、ママ・パパが「この子なら自分の力で眠れるようになる」と信じ、最後まで一貫した対応で見守ってあげることが大切です。
対応を一貫して見守るためにも、トレーニングの効果をスムーズに感じるためにも、事前に生活スケジュールや環境を整えておくことが成功への近道です。
ただし、「一貫して見守る」ことは、何があっても対応しないという意味ではありません。赤ちゃんの体調に変化があったときや、いつもと明らかに違う泣き方をしているとき、おむつ交換が必要なときなどには、赤ちゃんへの対応を優先してくださいね。
 

正しい方法でご家庭に合ったネントレを

SNSの情報の中には「泣いたら〇分待つ」という時間だけが強調されていたり、「〇分経っても眠らなければ、元の寝かせ方で寝せてOK」などと紹介されていたりするものもあります。入室する目的を理解し、赤ちゃんが自分で眠りにつく機会を見守りましょう。やり方を間違えてしまうと、赤ちゃんの「泣く」という行動を強めてしまい、夜泣きの悪化につながりかねないのでご注意くださいね。
「何分待つか」だけにとらわれず、「何のために入室するのか」「入室したときに何をするのか」「どのような眠り方を身につけてもらいたいのか」というネントレの原理を理解したうえで、赤ちゃんとご家庭に合った方法を選びましょう。

あかちゃんと家族のためのねんね相談室GuuMin(ぐーみん)では、退室してセルフねんねを目指す方法だけではなく、同室での見守りや添い寝など、ご家庭に合った寝かしつけの目標を設定したうえで、それぞれに合ったサポートを行っています。
赤ちゃんの寝かしつけでお悩みの方はぜひご相談ください♪

※本コラムの無断複製・転載はお断りしています。

執筆

シニアコンサルタント
只野 みずほ
TADANO Mizuho
  • CoucouLuna認定 乳幼児スリープヘルスアドバイザー
  • 日本眠育推進協議会認定 睡眠アドバイザー
仙台市在中
6歳と5歳の2児のママ
2023年より乳幼児睡眠について学ぶ(coucoulunaスリープアカデミー講座修了)

監修

川口 リエ
KAWAGUCHI Rie
  • CISA認定小児スリープコンサルタント
  • 豪州クィーンズランド大学環境科学学部卒業(名誉学士Honors)
  • 子どもの睡眠相談室CoucouLuna代表
  • GuuMinスーパーバイザー